万有引力 ジャンジャン公演 記憶のラビリンス -迷路と死海より- (1989)

 カテゴリ: 天井桟敷・万有引力

万有引力 ジャンジャン公演 記憶のラビリンス -迷路と死海より- (1989)

1989年9月13日(水)~9月18日(月) 9ステージ
記憶のラビリンス
-「迷路と死海」より-

演劇は、いわば政治を通さぬ革命であり、他人にとりつき、それを腐蝕し(あるいは増殖し)変容にもちこむこ とである。
《泳ぐオペラ》《食卓のルーレット》《アミナダブの迷路》
今すぐ思いうかばない単語を三つ挙げよ!
今すぐ思い出せない唄を三つ唄え!
今すぐ想像できない土地を三つ描写せよ!

世界はすでに迷路である!

演劇実験室◎万有引力が、寺山修司の「書くためのワークショップ=迷路と死海」を劇化しながら、俳優という 自身の現住所、つまり虚実あるいは想像上の体験と現実生活区別が提起するものを検証する試み。

会場
渋谷ジァンジァン
料金
前売り/当日2000円
スタッフ
原作
寺山修司
構成・演出・音楽
J・A・シーザー
共同演出
根本豊 高田恵篤
照明
木下泰男
音響
馬場敦子
美粧
上海綾子 ナカタケイコ
舞台監督
水岡彰宏
広告デザイン
小竹信節 森崎偏陸
制作
寺原孝明 馬場敦子
企画
ジァン・ジァン 演劇実験室◎万有引力
キャスト
サルバドール・タリ 根本豊 水岡彰宏 高田恵篤 中村亮 海津義孝 松丸純子 ナカタケイコ
須崎晃 袴田貴子 玉虫士 伊東恵美 伊野尾理枝 山田早苗 古川裕子 安斎景子 佐藤江梨子
この作品は、寺山修司の著書「迷路と死海=わが演劇」という、まさにわれわれスタッフ、俳優が日常的に行っ た「身体」「言語」「あらゆる術と学」等のワークショップと同時に、寺山自身が行った「書くことによるワー クショップ」を劇化しようとするものである。俳優のいない演劇と誰もが俳優である演劇、劇場のない演劇とあ らゆる場所が劇場である演劇、観客のいない演劇と相互に観客になり代わる演劇、市街劇、戸別訪問劇、書簡演 劇、密室劇、電話演劇といった演劇体験の中で、寺山自身が試みた一つ「虚実あるいは想像上の体験と現実生活 の区別が提起するもの」を覗き見ながら、虚実の混在のなかで人間のアイデンティフィケーション「同一化」の 回復を考えてみようと思った。そして、俳優という自身の現住所を探す試みでもある。
J・A・シーザー