万有引力 第5回公演 砂漠の動物園 -その形態はピラネージの牢獄に似るー (1985)

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万有引力 第5回公演 砂漠の動物園 -その形態はピラネージの牢獄に似るー (1985)

1985年6月19日(水)~6月24日(月) 第5回公演
砂漠の動物園
-その形態はピラネージの牢獄に似る-
郵便配達夫のカタツムリが、拾うたびに一つの通りを忘れさせる《石》とは?
ボエオティアの山猫を溺愛するシナの建築家とは?
一砂粒大の世界の始まる砂漠とは!!
現代人という《囚われ人》の日常と連鎖しながら、強靭な感性の羽に託して想像力の極限を展開する希望の新作!!

会場
吉祥寺バウスシアター
料金
前売り2000円 当日2500円
スタッフ
作・演出・音楽
J・A・シーザー
共同台本
根本豊 山崎信介
美術
ツール・ヴァーグ
照明
丸山邦彦
舞台監督
山代哲也
演出助手
根本豊 山崎信介
美粧・衣裳
上海綾子
音響
落合敏行
制作
寺原孝明 荒谷渡 松田清
美術助手
加藤絵里 山岸学雄
音響助手
清原昭彦
舞監助手
加藤隆 出口容子 横田和子
ポスターデザイン
加藤絵里
照明協力
C・A・T
キャスト
サルバドール・タリ 根本豊 矢口桃 水岡彰宏 牧野公昭 高田恵篤 中村亮 海津義孝 松丸純子 桐野裕子
ナカタケイコ 袴田貴子 中山信弘 須崎晃 他
解説
1984年12月公演「ワークショップー時限装置の冬」以来、半年ぶりの本公演になるこの「砂漠の動物園- その形態はピラネージの牢獄に似る-」は、前作と同じスタッフで、吉祥寺・バウスシアターのユニークな 劇場空間のために創作される。「距離」にかかわる事物と人間関係(存在)をテーマに、観客と一緒に劇場の中に 巨大な都市を持ち込もうとする! 劇場は、一人の郵便配達夫の肉体都市であったのか、それとも、やはり観客の幻想都市に他ならなかったのか? そして、男は言った「一通の手紙の中に自然の可能性の極小である《砂》で書かれたある男の理想都市計画の 図面が入っていた。それを解説するために多くの建築家を訪ねたが徒労に終わった!」と。

われわれは、観客をひきつける犯罪者や狂人たちといった異端的な主人公(バベルの塔の隠遁者、 郵便配達夫シユヴアル殺人鬼・時計師ペル…)たちの中にみずからの弁証法的な表現を発見しようとするための 一つの方法をこの劇の中で見つけなければならないだろう。それには自分の中から(もう一つの何かをただ待つ状態) を発見、創造しなければならない第三の状況をまず構築しなければならない。さらに、事物の持つ概念の変質・ 変形・変貌(変身)を試みつつ、都会と相対的な発見、創造をしつづけること。このような方法で、 もう一つの位置関係を考えることにより、自分を系統樹から離脱させ、遠近の倒錯、内外の逆位相、 上下の転倒的世界を舞台にのせる。すなわち等身大の世界の出来事から、より巨視的に、より微視的に事物に ふれることによって統一的に世界を理解しようとする試みである。