万有引力 東京グローブ座プロデュース公演 リア王 月と影の遠近法 (1990)
1990年5月16日(水)~5月20日(日)海外版 新大久保東京グローブ座
リア王
《月と影の遠近法》
会場
東京グローブ座
スタッフ
演出・音楽
J・A・シーザー
演出協力
ペーター・ストルマーレ(スウェーデン国立劇場)
機械考案・舞台美術・衣裳・メイク
小竹信節
脚本
高取英
照明
木下泰男
音響
森崎偏陸
舞台監督
矢島健
舞台協力
武川喜俊
舞台監督助手
村岡晋
機械製作
ソケー工業
衣裳製作
ナカタケイコ
制作
馬場敦子 安斎景子 森久保達子
キャスト
コーンウォール
サルバドール・タリ
ケント
根本豊
グロスター
水岡彰宏
エドマンド
高田恵篤
オズワルド
中村亮
エドガー
海津義孝
コーディリア
松丸純子
他の出演
ナカタケイコ 須崎晃 袴田貴子 渡辺敬彦 中山信弘 上村美裕起 演劇実験室◎万有引力俳優陣
ドネリル
笹井世津子
リア王
昭和精吾
闇のオペラ歌手
穂積磨矢子
道化
福士恵二
リーガン
田中こずえ
解説
現代の音楽、肉体、機械に換喩されたシェイクスピア
今回、この劇は『影の浄化の祭典』というプロローグから始まる。 設定は、現代社会でも変わらぬ権力への意志を巨視化し、野望達成してゆくグロスター家の私生児《エドマンド》を中心に据え、 衰弱してゆく権力=リア王個人が〈狂気あるいは道化〉ではなく、権力への野心、または権力の持続そのものが 〈狂気あるいは道化〉としてみえてくるはずである。 つまり、現在『リア王』のリアの狂気をいかに描いてみせても、 それは社会と乖離した様式の演劇としての公理を超えるものではないだろうからである。 さらに、シェイクスピアを英国古典の言語世界でとらえるのではなく、その言語世界そのものを現代の音楽、照明、肉体、機械といったものに換喩し、新しい劇空間を展開しようと考えている。 そこでは、古典文学としての西欧文化の輸入ではなく、現代の演劇を提示することになるだろう。 演劇実験室◎万有引力の俳優陣のほか、元天井桟敷の昭和精吾、舞踏家の篠井世津子、ソプラノ歌手の穂積磨矢子、 バシ・ワークシアターの福士恵二をはじめとした多数の友情出演者、さらに舞台美術に、「奴婢訓」の小竹信節、 脚色に月蝕歌劇団の主宰者であり、劇宇宙の中で「負の正体」をあきらかにしてゆく劇作家でもある高取英をえて、 現実、秩序への復讐の歴史が幕をあげる。
J・A・シーザー